スウェーデン鋼で作る革の抜き型。熟練の職人技が光る刃付鋼の手曲げ加工は圧巻。


スウェーデン鋼革の抜き型を手曲げで作成中

スウェーデン鋼を型紙、ゲージに合わせて熟練の職人が手曲げ加工、補強加工をして抜き型を作成していく工程は圧巻です。


そもそも革の抜き型って何?


スウェーデン鋼革の抜き型
スウェーデン鋼

スウェーデン鋼の抜き型でなく革切り包丁でパーツを切り出す方法もありますがバラツキも出たりと量産には向いていません。

そこで、あらかじめ刃が付いたテープ状の鋼材のスウェーデン鋼(刃付鋼)で作られた抜き型で革を裁断することで同じパーツを狂いなく裁断することができます。

意外に知られていませんが革製品の量産には欠かせない工具が抜き型になります。



スウェーデン鋼抜き型と呼ばれる理由


スウェーデン鋼革の抜き型
スウェーデン鋼革の抜き型

革の抜き型を作成するスウェーデン鋼とは刃付け焼入れがあらかじめされている板状の鋼材のことを指しています。硬すぎず柔すぎない鋼で加工に最適な材料であり切れ味も鋭いものとなっています。

日本には昭和30年代に上陸しスウェーデンのサンドビック社により開発・製品化されたため現在もスウェーデン鋼抜き型と呼ばれています。

ただ、現在サンドビック社はこの分野から撤退しておりオーストリアのマーチンミラー社、ボーラー社などがこの刃付き鋼材を生産しています。



熟練の職人技が光る手曲げ加工


スウェーデン鋼革の抜き型を手曲げで作成中
スウェーデン鋼革の抜き型に穴を開ける

スウェーデン鋼を型紙、ゲージに合わせて職人が手曲げ加工、補強加工をして抜き型を作成していきます。

職人による手間げ加工の為、高い技術力が求められ精度は0.1mmを基準に作成されています。

財布など小さなパーツが多いものは1mmの狂いが仕上がりに大きな影響を与えてしまいます。ホック用のポンチなどを抜き型に設置することも可能です。


スウェーデン鋼革の抜き型を溶接中
スウェーデン鋼革の抜き型のバリを削る写真

抜き型が型崩れしないように補強材を溶接したり革を裁断した際に傷がつかないように内側、外側のバリを丁寧に取るなどひとつの抜き型を作るにも多くの工程が存在します。



実際の加工現場を撮影


手間げ加工の技術は見ていて圧巻です。ぜひ、下記のyoutube動画を見てみてください。

レザークラフトなどで量産などを考えている方、抜き型を作成したい方は下記に連絡先を記載してありますので桜井製作所様までお問い合わせください。

撮影協力

桜井製作所
〒131-0041
東京都墨田区八広6-50-13
月曜~土曜日9~18時
03-3612-1489


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