皮革製品におけるコバ磨き、種類と仕上げ方のお話。動画でもコバ処理の工程を紹介

革製品の顔を引き立たせるコバ磨きについてのお話
そもそもコバとは革製品の端部分のことを指しています。漢字で書くと【木端】。
一般的な意味としては板材の両端の側面のことを言うことが多いですが、
革業界でも木の端と見た目が似ていることからなのか同じ言葉が使われるようになりました。
革製品のコバ(革の断面)処理にはいくつかの種類があります
主に挙げられるのが、切りっぱなし・ヘリ返し・塗り・磨きなど下記に紹介する四種類になります。

切りっぱなしのコバ
言葉の通り何も処理を施さないことです。ベジタブルタンニンレザーなど鞣しに時間をかけ繊維が詰まっている革などは使っているうちに引き締まってきます。

ヘリ返しのコバ
革の端を薄く漉いて折り返し縫い合わせる技法です。外からは革の表面だけが見えるので仕上がりも綺麗なので多くの革製品で採用されています。

塗りのコバ
顔料などの塗料を塗布して固めてしまうことです。様々な色を使うことでデザインポイントとしても使われる技法です。

切り目本磨きのコバ
コバ部分をヤスリなどで慣らしフノリ(布海苔)、蜜蝋、CMCといった液体を塗り布などで磨く工程を何度か繰り返して仕上げます。
「切り目本磨き」のコバ作成工程を詳しく紹介
com-onoのSPラインでは、コバ磨きの一種である「切り目本磨き」で仕上げています。手間が掛かるためあまり採用される技法ではないですが【切り目本磨き】されたコバは美しく引き締まります。
さらに面取りと言われる角を丸める工程を加えることで優美に見え革製品の存在感を引き立ててくれます。
ひとつひとつを手作業で進めるコバ磨き

写真はコバ(端)を何も仕上げていないものになります。切りっぱなしという状態になります。
職人技が光る面取り作業
まずは、豆カンナという小さいカンナでコバの角を落としていきます。コバの【面取り】という作業なのですが、技術がないと削りすぎてしまったりとミスが許されない重要な工程になります。




さらに表面の凹凸をなくし丸みを持たせるためにグラインダー、紙ヤスリを使い丹念にひとつひとつ仕上げていきます。下地作りはこれで完了になります。


商品によってはコバに色を入れてから仕上げたりもします。そして水、布海苔、CMCなどをコバに染み込ませ表面を固めて最終の仕上げ工程に入ります。


最終仕上げは木の専用ヘラや布を使い丹念に磨き上げます。力加減、磨くタイミングなど長年の経験が必要な工程です。この磨きの工程でコバ仕上げは完了となります。
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